肩甲骨脱臼症の外科治療

●39
今回の症例は12歳、オスのプードルです。

MR 5/6を伴い、左右の膝蓋骨の内方脱臼, 右の肩甲上腕関節の慢性脱臼(赤矢印)、写真①。
更に第12胸椎の変形性脊椎症があります(赤矢印)、写真②。

最近までは肩甲上腕関節の脱臼は簡単に徒手で整復出来ていましたが、今ではその整復も不可能となりました。
オーナー様がどうしても四本の肢で歩行させたいとの強い要望があり、OPに踏み切りました。

肩甲上腕関節脱臼の整復手術法は数多く有りますが、今回は年齢と全身の状態を考慮し出来るだけ短時間で出来る方法を選択しました。
関節包を切開し、脱臼の整復後,肩甲骨の遠位端と上腕骨の近位端を(ケフラー糸を使用し、人工の関節包とし)結紮し、脱臼の再発を防止しました(赤矢印)、写真③。

術後、比較的、短時間で肩甲上腕関節の可動性も回復し、ゆっくりと四肢を使用し、歩行が可能となりました。
  膝蓋骨の内方脱臼
変形性脊椎症
肩甲上腕関節脱臼
 
トップへ戻る▲
  • 特大
  • 大
  • 標準