犬MIX、避妊雌、8才、初診時体重4.8Kg
稟告:
2025年2月より下痢、嘔吐のため他院を受診しタンパク漏出性腸炎と診断され、入院治療をおこなったが思わしくない。退院後療法食、手作り食を試したが未消化のまま排出、下痢状態になり改善しなかった。
治療はステロイドの注射と免疫抑制剤、チユーブダイエット(療法食)を与えながら様子見ている状態で改善は全くなかった。出されている薬も多く、飲ませるのが大変とのお話しでした。
初診:2025年4月15日
所見:全身状態が低下し、全身的に被毛の脱毛と皮膚潰瘍が見られ、頭頂部、頸部から尾部、四肢の筋肉量低下し、眼は角膜潰瘍が見られました。
自宅では元気食欲なく、散歩もしたがらない状態でした。
検便は泥状便て、便検査で未消化、糸状菌、細菌バランスの低下が見られ腸内環境が悪化していました。
当日、血液検査(スクリーニング検査)とタンパク分画検査を行いました。
検査では血液内のアルブミンという体の栄養状態を確認する値が2.1(普通は3.4以上)と極端に低く、食べているフードが栄養にならなくその結果、全身脱毛皮膚潰瘍、全身の筋肉低下に繋がったと推測されました。
さらに、貧血や肝機能検査や炎症マーカーの上昇が見られました。
飼い主様のお住まいは遠路のため、自宅治療を中心に治療を行う事にし、3~4週間おきに来院することになりました。、院内ではオゾン療法、高栄養皮下点滴とホモトキシコロ―ジというドイツの自然療法の注射を行う事にしました。ご自宅での治療として、CBDオイル、MATRIX療法、ヨウ素錠、ホモトキシコロジー(ドイツ自然療法)の腸炎の飲み薬、コンドりプラスペット(飲む水素薬)を与えてもらいました。
食事療法と血液検査の結果よりワンちゃんの体の栄養状態を推測し、体に不足している栄養素を分子栄養療法用の栄養素(サプリメント)を選び飲ませてもらう事にしました。
分子栄養療法のサプリメントはアミノ酸類、総合栄養剤(ビタミン、ミネラル製剤)、ビタミンA、亜鉛、乳酸菌製剤、その他のサプリメントを飲ませるようにしました。同時にフードの変更を少しづつ行ってもらいました。フードは高タンパクのフードを選びました。
経過:
1週間後に電話がありました。下痢が止まって、食欲があり元気になって来た。
その後、3~4週間毎に通院して、治療は続けました。
便の状態は安定し、良便になり、嘔吐はなく元気食欲も改善し散歩も大好きになり毎日、自分が先頭になり散歩をするようになりました。
全身脱毛で皮膚にあった皮膚潰瘍も次第に改善し被毛も次第に生えてきました。
それと共にあれだけ痩せて、筋肉が低下していた状態も次第に改善していきました。
かかりつけの動物病院からはかなりの量の薬剤がでておりました。ステロイド、免疫抑制剤も飲んでいましたので相手の獣医師に相談をお願いして、少しづつ薬剤を少なくしてもらいました。
2025年の秋には見違えるような状態になりました。現在も食事、各種栄養素、サプリメントは続けていますが、これからこれら薬剤とサプリメントのコントロールをしていきたいと考えております。体重は初診時 4.8Kgが現在は6.75Kgとなりました。
院長よりコメント
タンパク漏出性腸炎は難病と言われ、ステロイドや免疫抑制剤の治療が主な治療です。
これらの治療は炎症は抑えても、体の栄養状態を維持サポートする治療はまず獣医医療では行われていません。腸内が炎症おこして抗炎症で炎症を抑えても、腸管内の細胞を必要な栄養素で修復しなければ回復しなのです。そのためにも分子栄養療法は必要な医療です。
今回は症状がかなりひどく、下痢により栄養の吸収ができなくなり、全身の筋肉はなくなり歩くことも出来なくなりました。皮膚の脱毛、皮膚の潰瘍も栄養が皮膚に届かなくなりこのような皮膚炎がひどくなりました。犬は食べた食事のタンパク質の25~30%もの量が皮膚と被毛に必要なのです。眼の潰瘍も眼に栄養が不足しても起きるのです。西洋医療に不足していることは、病気の症状のみを抑える治療で、病気になった体の改善修復は考えていないことです。
今回のワンちゃんも西洋医療のみの治療で腸の炎症が慢性になって、ひどくなり西洋医療の薬剤ではもう治らなくなっていました。 西洋医療の限界がありました。
炎症のみを抑えるという考えの治療のみではなく、病気になった体がどのような栄養素が不足しているかを診断し、治療をすることにより今回のワンちゃんのような改善が得られる可能は期待されます。 体は毎日食べている栄養素でできているのです。
今回の治療は主に、分子栄養療法の治療とCBDオイル、MATRIX療法を使用しました。
分子栄養療法は血液検査より体内の栄養状態を解析し病気の治療をします。慢性の病気の大部分は体内に栄養低下で起こるとも言われています。体の栄養状態が極限に低下するとがんが発生するとも考えられています。毎日の栄養は体を作るためにも重要です。
■2025年4月 初診の写真


■2025年10月
とても元気になりました。 被毛もフサフサになりました。とても可愛くなりました。
食欲もあり、毎日断歩しています。飼い主さんがとても頑張って治療して頂きました。








