頸部に大きな腫瘍あり肺にも転移しており手術や治療は出来ないと言われ、、余命2ケ月と余命宣告され、セカンドオピニョンで来院しました。
初診時は頸部が腫れており食欲はやや低下しておりましたが、比較的元気はあり、体調は維持されておりました。飼い主は出来る限りの治療とQOLが得られる治療を希望されました。
治療:
飼い主さんと相談し、高濃度ビタミンC点滴療法とマイヤーズ・カクテル(高栄養点滴療法)、オゾン注腸法、レーザー療法、ホモトキシコロジー(ドイツの自然療法)、ホメオパシー、漢方薬として補中益気湯などによる治療を開始しました。
食事は高蛋白質、糖質制限食を中心に与えてもらい、さらにオーソモレキュラー療法(栄養療法)を併用しました。医療用サプリメントは、ビタミンB群、EPA/DHA、バイオラクト、VA、BCAA、グルタミン、持続性ビタミンC、乳酸菌製剤、免疫サプリメント:冬草夏草などを与えました。これだけの栄養が必要なのと、感じる方もおられることでしょう。
がんは自分の体の細胞が極度の栄養のトラブルが続き、正常の働きが出来なくなりがん化して、がんとして増殖していくのです。がんになった体には高容量の栄養素は必須です。
経過:
1週間に2回の治療を2ケ月ほど行い、治療間隔を1週間に延長しました。
経過は良く、食欲、元気も維持されていました。腫瘍の大きさは変化がありませんでした。治療開始より、1年半ころに咳が出るようになり、レントゲン検査で、肺の腫瘍が増えておりました。しかし、呼吸困難や酸素吸入を入れるような状態もなく、生活することができました。ある日、飼い主さんより電話が入りました。ワンちゃんが急死しましたとの連絡でした。元気で来院しておりましたので、非常に驚きました。
理由を確認しましたところ、台所の机の上に置いていた鶏肉を盗み食いして、追いかけたら、一気に飲み込んだ様で、そのまま窒息状態となり息を引き取ったとのことでした。
食欲があり、鶏肉を食べたかったのでしょう。普通のワンちゃんでしたら、飲み込めたのかも知れません。頸部の腫瘍食道が腫瘍によりかなり圧迫されていましたので、飲むことができなかったと推測されました。
飼い主さんよりは、「余命宣告されて、今日まで病気がないような状態で生活出来て、良かったです」とのお話がありました。