現在12才のスコティッシュ・フォールドの男の子です。
9才の時に、急に食欲と元気がなくなり、ぐったりして来院しました。
血液検査で慢性腎不全と診断されました。血液検査で尿素窒素140mg/dl以上、クレアチニン、15.5mg/dl、無機リン、15.9mg/dlとかなり腎臓の数値が上昇しており、ぐったりして食欲もありませんでした。
治療:
最初にホモトキシコロジーの腎臓用の注射をしました。ホモトキシコロジーはドイツの自然療法の治療です。ドイツやヨーロッパでは広く知られており、人はもちろん犬、猫、各種小動物(ハムスター、フェレット、ウサギなど)や鳥類の治療、畜産動物の治療に使用されております。
ドイツでは副作用がかなり少ないため、老齢や状態の悪い状態にも使用できます。特に腎不全、肝臓病、泌尿器の病気、皮膚病そしてがんの治療に広く使用されております。猫の腎不全には特に有効で、改善例が多くあり、犬の腎不全にも有効です。当院ではかなり前より導入し、効果を実感しております。
脱水の改善と体調の改善のため最初は静脈より点滴を開始し、同時にマイヤーズ・カクテル(栄養点滴)の静脈点滴も併用しました。病気の体には栄養が必要です。リンゲル輸液剤は脱水の改善には有効ですが、栄養の補給は出来ません。
血液検査の値は次第に下がって、約3週間後には尿素窒素46.6mg/dl、クレアチニン4.48mg/dl、無機リン4.4mg/dlになりました。食欲がでてきたので、途中よりマイヤーズ・カクテル(栄養点滴)の皮下点滴に変更しました。
その後、ホモトキシコロジーの注射は回数を少なくして、錠剤の薬を飲ませてもらいました。病気で弱った体にはマイヤーズ・カクテル(栄養点滴)は体力が低下している動物にはとても有効です。
現在12才になりました。最近の血液検査は尿素窒素38.4mg/dl、クレアチニン3.3m/dl、無機リン4.6mg/dlと安定しております。
現在は定期的にホモトキシコロジーの注射、マイヤーズ・カクテル皮下点滴と毎日ホモトキシコロジーの腎臓の錠剤、総合栄養剤、リン吸着剤、アミノ酸療法薬を経口投与しております。フードは腎不全用のフードですが、毎日、鶏胸肉のスープを水分補給のため与えています。鶏のスープはとても好きで催促します。
食欲もあり脱水や嘔吐はなく毎日元気に暮らしております。