ワンちゃんは4才で、性格はとてもフレンドリーでかわいい男の子です。1ケ月前より左の瞼が腫れ他院に受診し、抗生物質と点眼剤を処方されました。
なかなか治らなく、再度病院にいきましたら、今度は軟膏を出されました。しかし、瞼はさらに赤く腫れてしまい、心配になった飼い主さんが当方のクリニックに連れてこられました。
話を聞きますと、瞼がふくらむ1年ほど前から手足を痒がり、よくなめるようになり、口角とあご、耳も痒がって良く足で搔いていたいたそうです。この時もかゆみ止めを処方されましたが、なかなか良くなりませんでした。
ステロイドや抗生物質の飲み薬を飲むとかゆみは落ち着くそうですが、「この先ずーつとステロイドを飲み続けるかとうと心配」と飼い主さん。
アレルギーの原因が知りたい、薬を飲み続けなくても治る方法が知りたいというご希望でした。また、マロンちゃんは子供の頃から便がゆるい状態が続いておい、それも気になっていたそうです。前の病院では体質だから直らないと言われていました。体質は肥満傾向で、運動はあまりしていなく日中は室内でお留守番をしていました。
初めて診察に見えられた時は、まぶたは腫れており、被毛もパサパサで艶がなく手でなでると毛が沢山抜けました。フードはタンパク質23%で炭水化物は41%の皮膚病用の処方食でした。フードの他に沢山のおやつも与えておりました。おやつの成分をも糖質(炭水化物)中心のおやつでした。子供の頃より糖質(炭水化物)の多いフードとおやつを与えておりました。
お話より食事によるアレルギーや糖質(炭水化物)の多いフードとおやつと、タンパク質の少ないフードに問題があるのではと考えて血液検査、アレルギー検査、レントゲン検査、腹部エコー検査と分子栄養療法のカウンセリングを提案しました。
血液検査ではALT(肝臓の細胞出作られる酵素のこと)の数値が基準値の15倍ととても高く、コレステロールは基準値の1.5倍、中性脂肪も基準値の4.5倍もあったのです。
人間でいう所の「メタボ」の状態でした。最近メタボのワンちゃん、ネコちゃんが増えております。
また、少々専門的になりますが、ワンちゃんのクレアチニンと尿素窒素の値は基準値より低い値でした。これは、分子栄養学より判断すると筋肉量と体内のタンパク質量が低下していることを意味します。
ワンちゃんのいつも食べているドッグフードのパッケージを見ればそれは明らかでした。予想通り、タンパク質が15%とかなり低いものだったのです。
散歩は週に1回だけ、おやつもたくさんあげており、メタボになる要素が一杯だったのです。
さらにアレルギー検査(リンパ球反応検査)で、小麦、トーモロコシ、エンドウ豆、ジヤガイモ、米に対して強くアレルギー反応が出ました。実は、これらの食材はすべてワンちゃんが食べていたドッグフードやおやつに含まれていた成分でした。
まずは、フードをアレルゲンとなる食材が入っていないものかつ、高タンパクのフードへ変更しました。
腹部エコー検査で、腹腔内の多くの体内脂肪があり、体重も多いので減量を提案し食事指導と併せて行いました。
さらに皮膚の状態の改善目的で総合ビタミン剤、亜鉛、ビタミンEと末端の皮膚の炎症、痒みには、精神的な問題と皮膚の炎症を考えてCBDオイルをのませてもらいました。
肥満や肝臓のトラブルには珪素水を飲ませてもらいました。ケイ素水は抗酸化作用や脂肪肝に効果あります。肝臓の薬は約1ケ月間のませてもらいました。
約1ケ月後に血液検査しましたら、とても高値だった肝臓の値は正常に戻っておりました。
皮膚のかゆみは次第に減少していきました。
その後は、時々皮膚の痒みはありますが、食事のローテ―シヨンとサプリメントで維持されております。被毛の抜け毛もなく、フケもなくなりお腹の調子はとても安定いております。
とても可愛いお顔になりました。
とてもきれいな被毛になりました。