症例:8才の猫(ミヌエット)の男の子です。
経歴
2023年春より嘔吐の回数が多くなり、胃炎の治療を受けていたが、秋に他病院で消化管型リンパ腫(高悪性度消化管型リンパ腫)が判明し、栄養障害と貧血が強いため抗がん剤等の治療を行っても予後が悪い可能性があると言われました。体重は2023年8月には2.86Kgまで低下しておりました。
その後抗がん剤治療、活性化リンパ球療法などで治療し、貧血が強く輸血も受けております。腫瘍は一時寛解が見られましたが、その後再発し抗がん剤治療を継続しております。
腫瘍は高悪性度リンパ腫(胃内腫瘍)と診断され、担当獣医師より治療しても効果は期待されない、予後不良と言われました。
2024年1月に現在飲ませているサプリの内容についてと代替療法についても相談を希望されセカンドオピニヨンで来院されました。
初診時は遠くよりのご来院で、デリケートな性格の猫ちゃんのため、飼い主様のみのお話をお伺いしました。
初診時は食欲・元気低下し、抗がん剤のためか嘔吐、下痢があり心配な状態とお話されていました。
血液検査では、体の栄養状態が低下がみられ、特に体のタンパク質がかなり低下しておりました。
治療:
かかりつけ医では3月まで抗がん剤の治療を行うというお話でした。何とか抗がん剤による副作用を少なくしてあげたいとお話でした。飼い主さんはご自分でも色々なサプリメントを探して飲ませておりました。
一般的には初診の際には血液検査を行いますが、今回はかかりつけ医よりの検査報告書を見せていただきその検査結果を元に栄養解析して説明いたしました。
遠くにお住まいですので、定期的な通院は出来ません。そのため出来るだけご自宅で行える治療方法についてご相談し、2ケ月毎のオンライン診察をご提案いたしました。
がんは自分の細胞の免疫低下などが原因でがん化してどんどんと増殖します。そのためにはがんになり栄養状態が低下した動物にはまず、栄養療法ががん治療の基本となります。
現在のがん治療は腫瘍(がん)にのみにターゲットを当てた治療が主になっております。しかし抗がん剤ははがん細胞のみに働くのではなく正常な細胞分分裂が活発な細胞にも作用するため、副作用として嘔吐、下痢、食欲低下などの消化器症状を起こします。このような症状を繰り返しますと、がんの動物は元気なくなり寝てばかりで、体重の低下し痩せてきます。
抗がん剤を使用するのなら、その動物に適した匙加減と体の栄養状態をサポートする食事療法、栄養療法は必須になります。しかし殆どの動物病院ではこのことを軽視しております。
今回の猫ちゃんはまず、食事内容について高タンパクの糖質(炭水化物)の少ない食事を提案しました。食ムラが多く好みがころころ変わり飼い主さんはご苦労されている様子です。
血液検査の結果より、体はかなりの低栄養状態で低タンパク質、ビタミン、ミネラルの低下が見られたので、分子栄養療法専用の医療用サプリメントを提案しました。
分子栄養療法の医療用サプリメントは総合ビタミン剤+ミネラル、ビタミンC、ビタミンEなどを用いました。
今回の猫ちゃんは胃内の消化管リンパ腫ですので、CBDオイルを与えてもらい直接胃内にCBDオイルが届くように考えました。CBDオイルは抗炎症、抗酸化、免疫アップ、抗腫瘍効果も期待しました。➡(Hp CBDへ)
この猫ちゃんは上記のサプリメントを本当に頑張って与えていただいております。飼い主様の熱意と努力には感謝しております。さらにご自宅では漢方薬、その他のサプリメントも与えております。
がんはとても治療が困難な病気です。食事療法、分子栄養療法はがん治療の基本ですが、これだけでがんの治療は難しくなります。そのため、ご自宅で可能な治療として、MATRIX療法と水素療法を提案いたしました。
MATRIX療法は、体を本来の状態へ戻すことを目的とした療法です。➡(HP MATRIX療法)
全て天然成分で、デトックス作用、抗酸化作用、血流改善、腸内環境の改善、細胞機能活性化、肝細胞活性化などの作用があります。当院ではがん治療には使用しております。
水素療法:
水素療法は人の人の医療でも現在注目されている医療です。水素療法には水素吸入、水素カプセル、水素バスの3つの方法があります。猫ちゃんは毎日のオフロが難しいため水素吸入と水素カプセルによる治療を行うことにしました。
水素吸入は写真にもありますように水素吸入用のハウスに猫ちゃんを入れて、1日に何回か水素を吸入します。同時に水素かププセルも飲ませていただきました。
水素療法の効果は活性酸素(悪玉のみ)の除去作用、抗炎症作用、循環機能の改善作用m免疫力強化作用、抗がん作用、、エネルギー代謝の活性作用(ミトコンドリアのATP産生を助ける)等があります。
経過:
上記治療を頑張ってもらい、2024年3月までは他院での抗がん剤治療をしましたが、次第に元気食欲が改善して行きました。3月の腹部エコー検査で胃内の腫瘍は認められませんでした。
その後は1ケ月毎に他院で血液検査をしてもらい、オンライン診察で飼い主様とお話をしながら経過を観察して行きました。
2024年12月のオンライン診察では元気、食はとても良く2024年1月の体重が3.1Kgでしたが、4.5Kgになりました。
2025年1月のメールでは引き続き元気に過ごしております。毎朝5時前後に朝ごはんをせがみますとの嬉しいご連絡がありました。今年も頑張りましょうと連絡をいたしました。、
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水素吸入を毎日実施しています。

マリルちゃん飼い主様よりの手紙
リンパ腫が見つかった当初、余命宣告をされ輸血を3回も行い、抗がん剤治療とともに独自に調べたサプリと漢方を開始していましたが、再発率の高いリンパ腫だった為他にできることはないかと思い友人の紹介で来院しました。
西洋医学のみならず、身体を根本的に改善するための食事療法やサプリの指導、CBDに他にも水素療法など…多角的に治療が出来ることに当初驚きました。
藁にも縋る思いで最初ははじめましたが、抗がん剤治療で真っ赤な血液検査データも抗がん剤をしているにもかかわらず平均値に収まり、直ぐに再発すると言われていたリンパ腫も診断からもうすぐ2年になりますが、寛解を維持しています。
西洋医学一本だけに頼らず、統合医療等も取り入れ多角的な治療ができたからからだと思っています。
難病で悩んでいる飼い主さんには諦めずに治療の方法は1つではないこと、様々な治療法がここにあることを是非伝えたいです。