治療に頑固に抵抗した猫の難治性の脛骨、腓骨骨折の外科治療

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1)この症例は二歳の雄のロシアンブルーの左側の脛骨骨折です、約1mの高さから落下したとの事ですが、通常では猫では考えられない骨折です。
 
 
2)骨折部中央の三つに分離された骨片はワイヤーで固定され、更に2,5mm厚のリコンストラクションプレート(この症例では充分過ぎる位の厚さです。)を骨折部近位そして遠位に2mm径のスクリューで六ヶ所ずつ固定されました。  
 
3)側面X線画像でも充分な整復固定が見られます。  
 
4)翌日の側面X線画像ですが骨折部遠位がスクリューホールに沿って骨折しています。この種の雄猫は特に人に何かをされる事を非常に嫌う猫が多く、この症例でもカスト、エリザベスカラー等の装着は不可能でした。術後にモルヒネの投与が行われましたが大暴れの挙句の果ての再骨折です。  
 
5)プレートと左右に分離した遠位骨折部が見られます(黒矢印)。(スクリューは全て抜去しています。)  
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6)遠位骨折部は径1,2mmのスクリューとワイヤーで四か所固定されました(黒矢印)。  
 
7)更に遠位骨折部は骨保持鉗子でプレートと遠位骨折部を整復固定した後に、  
 
8)プレートと骨折部はスクリューの代わりにワイヤーで固定しました。  
 
9)術後の側面X線画像ですが、かなり複雑なワイヤー固定が施され、今の時点では順調な回復をしていますが、完治を期待できるか?不安を残した頑固に治療に抵抗した症例です。  
 
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