治療に頑固に抵抗したトイプードルの難治性の大腿骨骨折の外科治療

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1)、2)、1歳令の体重6kgのトイ プードルです。
大腿骨幹の単純骨折での通常のプレート固定でしたが、このペイシャントは人の言う事を全く聞かず、カラー、カスト等の装着が全く駄目なケースで大暴れして手術後二日目に骨折部遠位がスクリュー ホールに沿って骨折し動物病院からの紹介での来院です。
1)   2)
 
 
3)既存のプレートが装着できないので縦割れした遠位骨折部は1,5mmのスクリュー5本で固定し、さらに2mm厚のプレートを自作しバトレスプレートとし、 大腿骨外側遠位に2,4mmの3本,近位に2,0mmの6本のスクリューそして4本のワイヤーでプレートを固定し、今まで比較的有効だった精神安定剤を与え2週後に退院させました。この退院させたのが大きな間違いでした。安定剤が有効だったのは退院後2-3日でした。  
 
4)5日目にはプレートの内湾が認められ、  
 
5)7日目には骨折部でプレートは破綻しました。  
 
6)破綻したプレートを調べてみると、始めの骨折部のスクリューホールの部位で破綻しています。大きなpressureが力学的に弱いこの一点に集中し金属疲労の結果、プレートの破綻を導いた事が分かりました。  
 
7)再度のOPです。
3mm厚のバトレスプレートを自作し、前回の破綻した部位の近位そして遠位にはホールを開けず強度を持たせ、骨折部は整理し海綿骨の移植を行いました。万全を期して2カ月の入院予定です。
また、患犬に負担を掛けずに簡単なバンテージで患肢に殆ど負荷を掛けない方法を見つけました。(企業秘密?)
 
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