馬尾神経症(CES)の外科治療

海外における最新の動物医療技術を積極的に導入し、人工股関節手術(THR),脛骨高台部水平化術(TPLO),膝蓋骨の内方、外方脱臼、難易度の高い複雑骨折などに取り組んでいます。
TPLOについては米国での研修を経てライセンスを保有しており、他院からのご相談も多数受けております。
詳しくは当クリニックまでお問い合わせください。

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重度な馬尾神経症(CES)を伴った、患犬の動画です。
この症例は10歳メスの重度のCESを伴ったシエパード犬です。歩様だけを観察すると、重度の股関節形成不全症(CHD)との鑑別は難しく、他の検査(X線、CT、MRI等)が必要と成ることがあります。
 
 
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これは馬尾神経症を発症した8歳のシエパード犬の単純X線側面画像です。第7腰椎と仙椎の配列の僅かな滑り、神経孔の狭小化、および石灰沈着(黄矢印)、変形性脊椎症(ブリッジ形成 白矢印)、第7腰椎尾側と仙椎頭側のX線透過性の低下(青矢印)が認められます。臨床症状としては、腰部の疼痛、尾を上げた時の疼痛、ジヤンプや階段の昇降を嫌う、更には後肢の不全麻痺、排便、排尿障害が見られます。外科治療法は一般に背側椎弓切除術が行われます。
  馬尾神経症
 
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7歳のウエルシュコーギーの胸腰椎の椎間板ヘルニアを伴った馬尾神経症(CES)の症例です。数年前からコーギーの犬種が流行していますが、年齢とともに脊椎疾患が多発しており、特にCESの症例が多く見られる傾向にあります。
  馬尾神経症
この症例では胸腰部のMRI検査において矢状断面画像で第12胸椎から仙椎間で多発性に脊髄圧迫所見が見られます。   馬尾神経症
冠状断面画像では第2-3腰椎間で中程度の圧迫、第3-4腰椎間(青矢印)で重度の圧迫、更には第7腰椎-第1仙椎間(橙矢印)では左右神経根への重度の圧迫(特に左側)が見られました。

外科治療は第2-4腰椎の片側椎弓切除そして第7腰椎-第1仙椎では背側椎弓切除術が行われました。
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