症例紹介

猫.MIX.避妊雌.22才.BW5.3Kg

病歴・治療:

高齢な猫ちゃんで、今まで糖尿病と腎臓不全、ステージⅡで治療中でした。

 

右後肢の肉球の腫れに気付いて病理検査したところ、非上皮性に由来する悪性腫瘍と診断されました。高齢のため手術は望まれなかったため、局所治療として、レーザー治療、エタノール注入法、オゾン化クリーム軟膏などを使用しました。

 

全身療法はオゾン注腸法、マイヤーズ・カクテル点滴療法、ホモトキシコロジ―療法を用いました。しかし、先端のがん治療を進めても腫瘍は大きくなり、出血、化膿と骨まで見えるようになりました。

 

丁度、新しいサプリメントである医療用CBDオイルの治験のお話があり使用を試みました。飼い主さんは初めて聞くCBDオイルに戸惑っておりましたが副作用が少なく、腫瘍、老齢の病気、糖尿病、腎不全にも効果が認められていることを話して了解を得ました。

 

CBDオイルは1日2回口に直接投与してもらいました。口に入れることを嫌がる時はフードに入れてもらいました。CBDオイルは舌下静脈より吸収され効果が早く出ます。フードに入れると効果は下がりますが、口より与えることが難しい場合は行います。

 

今までの治療は平行して行いました。

 

 

経過:

1ヶ月ほどたった時より、飼い主さんより「腫瘍が少し小さくなっているようです」と報告がありました。99日経過したときは、腫瘍は縮小してきました。炎症や出血も落ち着いてきました。

 

その後、次第に腫瘍は小さくなり、出血や化膿も落ち着き皮膚の再生もしてきました。(写真125日目)

 

その後、腫瘍は縮小し351日目にはかなり改善しました。

新しいサプリメントCBDオイル療法 症例

このネコちゃんは、CBDオイルや糖尿病、腎不全の治療を続け24才に天国に旅立ちました。高齢で、病気の治療をしながら24才まで生活出来たことに、飼い主さんは大変に満足しておりました。

 

 

治療前:

CBDオイル療法 症例 CBDオイル療法 症例 CBDオイル療法 症例 CBDオイル療法 症例 CBDオイル療法 症例 CBDオイル療法 症例

 

 

 

柴犬.頭部腫瘍.去勢雄.17才

〇〇動物医療センターで頭部腫瘍と診断され、余命宣告されたわんちゃんが来院しました。抗がん剤で治療しましたが、改善はなく副作用が強く嘔吐、下痢m食欲の著しい低下があり、治療の限界を伝えられました。さらに、老齢(17才)で、MRIなどの検査は麻酔のリスクもあり出来なく自宅で様子みて欲しいと言われました。

 

初診時は頭頂部がおおきく腫脹し、両目が開かない状態でした。食欲なく、元気なく動くことができなく、横たわっておりました。

 

治療:

飼い主さんは、他の人より高濃度ビタミンC点滴療法を勧められ希望されました。

来院初日より、高濃度ビタミンC点滴療法とかなり衰弱しているので、マイヤーズ・カクテルの高栄養の点滴とオゾン注腸法、ホモトキシコロジー、そしてホメオパシーなどの治療を行いました。

 

経過:

1週間に2回の通院を開始しました。

 

高齢のため、硬いフードは食べることが難しく、食事は手作り食を中心に、ミキサーで軟らかくして与えてもらいました。

 

その他、栄養療法として、プロテイン、アミノ酸、総合ビタミン剤、高酸化ミネラル、VA、EPA/DHA、ビタミンE、持続性ビタミンC、乳酸菌製剤などを無理のない範囲で併用しました。

 

次第に頭頂部の腫れが少なくなり、眼の腫脹も減少してほゞ2ケ月目には正常な状態となりました。

 

1ケ月間治療し、食欲も改善し散歩も可能となりQOLも改善してきましたので、1週に1回の通院となり、通院のストレスと高年齢を考えて、次第に通院間隔を空けて、様子見ながら治療を継続しました。一般状態もよく、治療の間隔も月2回の点滴と自宅でのケアとなりました。

 

治療間隔を空けてもその後は腫瘍の増大はありませんでした。腫瘍は落ち着いておりましたが、高齢のため、徘徊、認知症、ボケ症状がでてきました。それでも、飼い主さんはしっかりと看護をされておりました。

 

その後、治療8ヶ月で眠るように旅たちました。飼い主はとても満足していると話をされました。

 

初診時写真

 

2ケ月後

柴犬.頭部腫瘍.去勢雄

 

 

 

マルチーズ.去勢♂.9才.5Kg

頸部に大きな腫瘍あり肺にも転移しており手術や治療は出来ないと言われ、、余命2ケ月と余命宣告され、セカンドオピニョンで来院しました。

 

初診時は頸部が腫れており食欲はやや低下しておりましたが、比較的元気はあり、体調は維持されておりました。飼い主は出来る限りの治療とQOLが得られる治療を希望されました。

 

  • 頸部CT検査:  6×4.5×4.3cm
  • 犬の癌 頸部CT検査
犬の癌治療 高濃度ビタミンC点滴療法

 

治療:

飼い主さんと相談し、高濃度ビタミンC点滴療法とマイヤーズ・カクテル(高栄養点滴療法)、オゾン注腸法、レーザー療法、ホモトキシコロジー(ドイツの自然療法)、ホメオパシー、漢方薬として補中益気湯などによる治療を開始しました。

 

食事は高蛋白質、糖質制限食を中心に与えてもらい、さらにオーソモレキュラー療法(栄養療法)を併用しました。医療用サプリメントは、ビタミンB群、EPA/DHA、バイオラクト、VA、BCAA、グルタミン、持続性ビタミンC、乳酸菌製剤、免疫サプリメント:冬草夏草などを与えました。これだけの栄養が必要なのと、感じる方もおられることでしょう。

 

がんは自分の体の細胞が極度の栄養のトラブルが続き、正常の働きが出来なくなりがん化して、がんとして増殖していくのです。がんになった体には高容量の栄養素は必須です。

 

経過:

1週間に2回の治療を2ケ月ほど行い、治療間隔を1週間に延長しました。

 

経過は良く、食欲、元気も維持されていました。腫瘍の大きさは変化がありませんでした。治療開始より、1年半ころに咳が出るようになり、レントゲン検査で、肺の腫瘍が増えておりました。しかし、呼吸困難や酸素吸入を入れるような状態もなく、生活することができました。ある日、飼い主さんより電話が入りました。ワンちゃんが急死しましたとの連絡でした。元気で来院しておりましたので、非常に驚きました。

 

理由を確認しましたところ、台所の机の上に置いていた鶏肉を盗み食いして、追いかけたら、一気に飲み込んだ様で、そのまま窒息状態となり息を引き取ったとのことでした。

 

食欲があり、鶏肉を食べたかったのでしょう。普通のワンちゃんでしたら、飲み込めたのかも知れません。頸部の腫瘍食道が腫瘍によりかなり圧迫されていましたので、飲むことができなかったと推測されました。

 

飼い主さんよりは、「余命宣告されて、今日まで病気がないような状態で生活出来て、良かったです」とのお話がありました。

 

 

ゴールデン・レトリバー.肝臓腫瘍.避妊雌.13才

肝臓腫瘍で肺転移あり。肝臓腫瘍は10cm大の大きさでこれ以上の治療は出来ないと言われ転院して来ました。初診時は呼吸がとても荒く、食欲・元気が全くなく抱きかかえられて来院しました。顔はむくんでおり、自力で歩くことは出来ませんでした。

 

その他の症状として、尿漏れがあり、椎間板ヘルニアにより歩くことにも問題がありました。

 

長年、アトピー皮膚炎があり、定期的にシャンプーをしておりましたが、改善しませんでした。飼い主さんは、他院で見捨てられたため、何とかしてくださいと遠いご自宅より、時間をかけて来院しました。

 

治療:

高濃度ビタミンC点滴療法を中心とした治療をすることになりました。体力の低下があるので、マイヤーズ・カクテルという高栄養の点滴を併用しました。さらに、オゾン注腸法、ホモトキシコロジー(ドイツの自然療法)、総合ビタミン剤、持続性ビタミンCなどのサプリメント、ホルミシス療法も併用しました。

今回のワンちゃんは食欲がなく、体調もかなり低下しておりましたので、糖質の少ないタンパク質の多い缶詰めを勧め、さらに、ご自宅で肉と野菜、トーフなどをスープ状にした、手作食も作ってもらいました。老齢の動物にはドライのみの食事ではなく、十分に水分の入った食事を勧めます。

 

経過:

初診時は自力で立てなく、飼い主さんに抱き抱えられて来院されましたが、治療が終了後には立ち上がりました。ご自宅に戻り、駐車場より、緩やかな坂がありましたが、そこをゆっくりと玄関まで歩いたそうです。そして夕食を少量ですが食べてくれました。

 

治療の初めは1週間に2回より始め、治療が進むにつれて、呼吸状態は改善し、食欲も改善しました。散歩が出来るようになり、坂道も登れるようになりました。顔面のむくみも改善しました。今まではアトピーのため、1週間に2回はシャンプーしても皮膚の掻痒と臭いも強かっのですが、治療が進むにつれて、皮膚の掻痒や臭いも改善しました。

 

このワンちゃんは上記の治療で今まで長年悩んでいた多くのトラブルも改善しました。

その後、経過を見ながら、通院回数を延ばしました。

 

 

初診の時に飼い主さんより、「もう一度、自動車で旅行したい」という願いも叶いました。

 

治療後1年半程たって、朝の散歩を終えて、帰宅し食事を食べました。食後甘えて飼い主さんの膝に頭を乗せて来ました。いつもの甘えなので飼い主さんは優しく頭をなぜてあげました。おとなしいなと思い、確認しましたところ息をしておりませんでした。飼い主さんに頭をなでられている間に、眠るように天国へ旅立ちました。

 

肝臓に腫瘍は残っておりましたが、大きくならず十分にQOLの得られる生活を送ることができました。飼い主さんは十分に満足しておりますと話されておりました。

 

ゴールデン写真

犬の癌 ゴールデンレトリバー

ダックス.心臓血管肉腫.去勢♂.8才.7.5Kg

〇〇動物医療センターで抗がん剤による治療を行ったが、嘔吐、血便、チアノーゼで一般症状の低下して治療困難となり、余命宣告されて来院しました。
飼い主さんが、来院時に「高濃度ビタミンC点滴」をしてくださいとお話されました。
診察をするため、診察台に乗せようとしましたが、自分では立つことが出来なく、手を添えてあげました。呼吸も荒く、舌の色も紫色でした。
胸部レントゲン検査では、心臓が胸腔一杯に大きくなっておりました。胸部エコー検査で、心房に4×2.3cm大の腫瘍(血管肉腫)がありました。体重7.8Kgのワンちゃんの心臓に
このような大きさの腫瘍があるのですから、とても苦しい状態になっておりました。

 

胸部エコー検査:
犬の癌 胸部エコー検査

 

胸部レントゲン検査:

犬の癌治療

 

犬の癌 胸部レントゲン検査

 

治療:

初診時より、飼い主の希望で高濃度ビタミン点滴療法、マーヤーズ・カクテル(高栄養点滴療法)、オゾン注腸法、ホモトキシコロジー(ドイツの自然療法)、ホメオパシー、冬虫夏草、乳酸菌製剤等の治療を開始しました。

点滴を終了した、治療直後に舌の色が改善して元気で走り回りました。飼い主さんと病院スタッフはとても驚き奇跡が起きたという気持ちが一杯になりました。

このワンちゃんは以上の治療を週2回行いました。食欲が改善してきたので、高タンパク食のフードに変更しました。医療用サプリメントとして、プロテイン、アミノ酸、BCAA、グルタミン、総合ビタミン剤、持続性ビタミンC、抗酸化作用のあるミネラル類、CoQ10、ビタミンA、EPA/DHA製剤等を併用しました。

その後、3ヶ月間はとても良好な経過を得られました。

ある日、お散歩に行くため、リードを持ったら、ワンちゃんはとても興奮して走り回りました。その後、急に倒れてしまいました。急性心不全でした。

食欲や体の状態は改善しておりましたが、心臓の血管肉腫は胸腔内を占めておりましたので、激しい運動や興奮は避けてくださいとお話しておりました。しかし、散歩が大好きなワンちゃんでしたので、散歩のリードに興奮してしまったのでしょう。

急に亡くなったことは、とてもショックで悲しいです。しかし、治療の限界と余命宣告されていたのに、死亡の当日まで食欲もあり、普通の生活が出来、十分なQOLが得られたことに、飼い主はとても満足されておりました。

 

チワワの帝王切開手術

チワワのワンちゃんの帝王切開です。

胎仔摘出中

手術後間もなくより、母乳を飲んでくれました。

その後順調に成長し、こんなに大きくなりました。

セキセイインコのペローシス

症例はセキセイインコです。生後まもなくから足が開脚状態で起立歩行ができず、うつぶせで動けない状態です。
原因として、遺伝性や、栄養不足等が考えられます。
 
 
  
来院時。開脚状態で腹ばいになり、動けません。


 
 
 

治療として、テーピングを実施しました。


 
 
 

テーピング10日後。姿勢の改善が認められます。


 
 
 

テーピング2週間後。少しずつですが、歩けるようになりました。

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犬の椎間板ヘルニア手術

今回の症例はシーズーとミニチュアダックスフントのミックスのワンちゃんです。
症状は左右後肢の麻痺、起立、歩行不可、深部痛覚消失、自力排尿不可の状態でした。
MRI検査を実施したところ、第2腰椎の椎体上で、左腹側から脊髄圧迫所見を認め、椎体中央で圧迫は最も強く認められました。圧迫物質は、第1~2椎間から第2~3椎間に変位し、第2~3椎間からの椎間板の脱出を疑いました。
 
 
 

来院時。後肢が動かず、起立ができません

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MRI検査では第2腰椎と第3腰椎の間に重度の圧迫病変を認めました。


 
 
 

手術は側椎弓切除術です。
麻酔後、うつ伏せにし、背中の毛刈り、消毒を行ないます。

開始時

 
 
 

筋肉を剥離し、椎弓を露出。

 
 
 

ラウンドバーにて椎弓を削ります。

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脊髄が露出しています。
腹側より、逸脱した椎間板物質が脊髄を圧迫しております。

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摘出した椎間板物質。

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手術風景

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術後トレッドミル実施。この段階ではまだ後肢は動かせていません。

 
 
 

手術後約2ヶ月経過。順調に改善しました。

オス猫の排尿困難に対する会陰尿道瘻形成術

猫は排尿障害を起こしやすく、特に雄猫は重症化すると尿道が狭くなり、自力での排尿が困難になることがあります。そうのような症例に対して、会陰尿道瘻形成術という手術を行ない、自力排尿が可能になる方法があります。
今回のネコちゃんも尿石症由来の膀胱炎から尿道狭窄を起こし、手術の適応となりました。

まず、うつぶせに寝かせ、術野の毛刈り、消毒を実施、肛門に巾着縫合

尿道にカテーテルを挿入し、包皮周囲の切開

尿道を周囲組織から剥離

陰茎後引筋の切除

尿道の幅を十分に確保するために、尿道球腺を少し超えた先の骨盤尿道の筋まで尿道切開を実施

広げた尿道粘膜を周囲皮膚と縫合

術後所見

このあと、尿カテーテルを留置し、ネコちゃんが傷を舐めないように。気をつけます。

術後1ヶ月後の所見
傷はすっかり目立たなく、きれいになりました。排尿も順調です。

モルモットの膀胱結石

血尿を主訴とし、レントゲン検査にて膀胱内の結石を認め、手術を行ないました。

術前風景
手術前酸素化。呼吸、温度管理に細心の注意をはらいます。

仰向けにし、マスク装着、下には温風ヒーター、心電図モニター、毛刈りをし、消毒をします。

膀胱切開、結石を摘出、膀胱内洗浄後縫合



摘出した結石、及び皮膚縫合部

術後の回復も良く、排尿も改善しました。